山の神
当寺の境内に山の神(やまのかみ)の社があります。他の場所に祀られていましたが、戦後移築されました。お寺の社でなく、地元の物と言われています。
「人は亡くなると山に帰り、山の神となる」と言われ、仏教と異なる古くからの他界(来世)観がありました。
すなわち山の神は地元の方々の氏神、ご先祖様なのです。
「ご先祖様は、いつも近くにいますよ」
関東では筑波山が一番知られています。それ以上に高い富士山は、霊山とは言われていなかったと聞いたことがあります。
このような話すると、うなずく人が多いのですが、一つの他界観しか認めない立場の人もいます。
おそらく浄土真宗寺院の檀家さんのようですが、血相を変えて抗議した人もいました。極楽浄土だけが一番素晴らしい世界だと信じているようでした。
他の宗旨宗派、宗教の立場も尊重し合うことが必要です。
宗教、宗旨、時代により異なる他界観があります。
一部の宗旨だけ、信仰する宗教以外一切認めない人もいます。
平気で「他の宗旨では成仏できない」と言う方もいました。
お釈迦様の教えは来世に成仏する事を重視するのでなく、その前にこの世に善き人であれとお説きになっているのです。
各地の氏神は、後々に有力な諏訪、春日、八幡、山王などの神々が勧請されると、それらの神々が氏神となり、古くからある氏神は合祀されて、忘れ去られてしまうことが多かったようです。
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